日本自動車査定協会の査定資料マニュアル

中古車の買い取りを依頼すると、その車の価値を算定するために査定が行なわれます。
車を店舗に持ち込むとそこで査定が行なわれますが、出張しての査定も行なわれます。このとき、店舗での査定でも出張査定でも、また査定者によって査定の差が出ないように査定の仕方はマニュアル化されています。
この査定のマニュアルは、財団法人日本自動車査定協会というところでまとめられた査定資料が基礎になっていて、これに各買い取り業者の独自の判断が付け加わわれている形になります。

日本自動車査定協会の査定資料では、まずチェックシートが用意されています。このチェックシートの順番に車をチェックしていくことにより、査定箇所漏れがなく短時間で査定ができるようになっています。

査定で必要になる関係資料の確認

査定ではまずは関係書類とその記載内容の確認が行われます。
確認される書類は

  • 自動車検査証(いわゆる車検証)
  • 整備手帳(メンテナンスノート)
  • 定期点検整備記録簿
  • 自賠責保険証
  • 取扱説明書
  • 保証書
  • 自動車リサイクル券(車の年式によってない場合があります)

です。

車の車体外観のチェック

書類を確認すると、次は車を実際に見てのチェックが行われます。
まず、車の外観の概観です。
これは車両の左右前後の傾き、車高、ドアパネルやボンネットなどの隙間の有無、塗装の色あせや色むらの有無、ナンバープレートの状態、そして過度な改造がされていないかを見ます。

車内のシートや走行距離メーターのチェック

次に室内の様子を見ます。
内張りの状態、シートの状態、マットを見て、エンジンをかけてオプション装備品を含めた電装系の動作状態を確認します。

総走行距離もこのときにメーターで確認します。ひと昔前は走行距離計は機械式のカウンターでしたので総走行距離数の改ざんが少なくなかったのですが、現在は電子式なので改ざんは難しくはなっています。しかし改ざんが行われていたとしても、プロは車体各部品の消耗度合いから大体の走行距離がわかるので、改ざんはすぐにばれます。

エンジンルームの確認で修理歴があるか確認

次はボンネットを開けてエンジンルームをチェックします。
ここで車体番号が書類に書かれているものと同一であるかを確認します。
エンジンオイル、ATオイル、冷却水の量と汚れと漏れがあるかをチェックします。
エンジンルームを見ると各部品の取り付け状態などから修理歴があるかもわかります。これはエンジンルームのチェックとは別に口頭で尋ねられます。質問されたときにウソをいってもそれはエンジンルームのチェックで分かってしまうので、そうなると査定員の心証が悪くなるので正直に申告してください。

車前面の確認でキズ、へこみ、歪みの確認

次に車前面の外観を詳細にチェックします。
フロントガラスに傷や割れがあるか、ボンネットの傷や凹み、バンパーのゆがみの有無、ナンバープレートの状態、前照灯や方向指示灯のレンズの状態を確認します。それに加えてワイパーアームの歪みもチェックします。

車体両側面でドアの痛みやタイヤの消耗状態などの確認

車の両側面の詳細の確認では、ドアパネルなどの傷や凹みを見て、ドアを開けて歪みがあるかなどから内部部品が修理や交換されたかどうかを見ます。そしてタイヤのサイズと溝の残りなどの状態をチェックします。
ドアを開けたときにはネームプレートも確認します。これはメーカーごとに書式が異なっているものの、かなりの情報が記載されています。車体番号のみでなく、ボディーの最初の塗装色も記載されているので、全塗装を行なっていたならばここで分かります。

車後部の確認でランプやトランクルームのチェック

車後部の外観の詳細の確認では、トランクルーフやハッチバックドアの歪み・傷・凹み、バンパーの歪みなどの状態を確認します。方向指示灯・ブレーキランプ・後退灯のカバーの色や状態も確認します。リアワイパーがついていればそのアームの状態ももちろんチェックします。ナンバープレートも交換されていないかなども確認します。

トランクルームを開けると、バンパーの取り付けピンの状態などから修理歴があるかどうかが分かります。スペアタイヤや車載工具がそろっているかも重要な項目になります。もっとも、最近のいわゆるエコカーでは車体重量を減らすためにスペアタイヤを装備していない車種も多くあります。その場合はエアコンプレッサーなどのパンク修理キットが装備されていますので、それがあるかがチェックされます。

あとは、ルーフの状態を見ます。歪みや色むら・色あせがないかどうかいろいろな方向から見てみます。

以上のように査定では基本的なチェック項目だけでもかなりの数があります。これによってどの査定士が行なっても同じような査定結果になります。
この査定結果を査定基準価格に当てはめて査定額のベースが決まります。

中古車の査定基準価格は財団法人日本自動車査定協会が設定しています。この査定基準は国産車と輸入車ともに各車種で査定基準価格が設定されていて、そのリストは中古車の流通相場を参考にして毎月更新されています。

ただし、この査定基準価格がそのままあてはめられるためには車の状態が良好であることが条件になります。
「良好」の条件とは、まず総走行距離数が過度に多くないことです。概ね1年間あたり1万キロという距離数が適用されます。車体では外装や内装に傷やサビ、臭いがないこと、タイヤの状態や足回り、エンジン状態が良好であることが必要になります。事故などでの修復歴がないことはもちろんです。
これらの良好性の度合いによって査定額からのプラスマイナス額が別に設定されています。

中古車買取業者の独自の査定評価が加味される

査定の基本額はこのようにして決められるのですが、これにさらに各買取業者ごとの独自の判断が加わります。
これは例えば、外装品のオプションや内装装備品を高く評価するとか、ある特定の車種の販売を得意としているのでその車種ならば高く売ることができる、などの理由によります。
また、ほとんどの中古車は販売前に整備が必要になりますが、その整備費用がどのくらいかかるかによって査定額のプラスマイナスが生じます。ある箇所の整備に必要な部品が安く仕入れられていて整備体制が整っている業者ならば、その要整備の部分はマイナス査定にはなりませんし、その逆もありえます。

つまり、買い取り価格は中古車買い取り業者によって異なるのが普通です。
査定見積りは1社だけにしてもらうのではなく複数の業者に行なってもらうと、高く買い取ってもらえる業者を見つけることができます。