中古車の査定は財団法人日本自動車査定協会の査定資料が基本になっていて、車種による査定額のベースはこれによって大体決まります。これに車両の状態や装備品、買い取り業者の特徴によってプラス査定となる部分が加わって買い取り査定額が算出されます。
買い取り業者の特徴によるプラス査定となるポイントは各業者に査定をしてもらって査定額を比較しなければ分かりませんが、日本自動車査定協会の査定資料では基本となるプラス査定項目がいろいろあります。

走行距離のプラス査定評価

まずは総走行距離数です。年式のわりに走行距離数が少ないと査定額はプラスになります。
基準となる走行距離数は1年間あたり1万キロです。ですから例えば5年間使用した車では走行距離数が5万キロならば査定額のプラスマイナスはありませんが、5年間で10万キロ走った車だと査定額は大幅にマイナスになります。逆に5年間で1万キロしか走っていない車では査定額がプラスになります。

ただし、10年間で1万キロしか走っていない車ではプラス査定額が大きいのかというと、これはそうではなく、8年間で1万キロの車とプラス額が変わらなかったり、逆に5年間で1万キロの車よりもプラス額が下がってしまう場合もあります。これは、車というものは走らせる頻度があまりにも少ないと逆に消耗・劣化してしまう部分もあることによります。
総走行距離と年式による査定額のプラス分がどのくらいになるかは、コンパクトカーや軽自動車、ワンボックスなどの車種によって大きく異なっています。

車の外装・内装

次に外観や内装についてです。
外装に傷やへこみ、色あせや色むらが全くなく、修理も全くしていなければプラス査定になります。
シートやパネルなどの内装も同様に、色あせや傷・へこみがなく、かつタバコやペットの臭いが付いていないのであれば査定がプラスになります。

ブレーキなどの足回りやエンジンについては、直近の整備をいつ受けたかでプラス査定になることがあります。これは定期点検整備記録簿などで確認されます。
ただし、査定額をアップさせる目的で車検などの点検整備を受けたとしても、その整備費用の方が査定額のプラス分を上回ってしまうようです。

基本装備とオプションの評価

次に基本装備品です。
エアコンが付いているとプラス査定になります。ただし最近の車ではエアコンが付いていないことはあまり考えられません。
しかしエアコンがデュアルエアコンだとプラス査定額は大きくなります。デュアルエアコンとは前席と後席、あるいは運転席と助手席などと別々に使えるエアコンのことです。ワンボックスカーなど大きな車にはオプションが設定されていますが、軽自動車でも装備されることがあるようです。

ミッションは、これも当然ながらマニュアルミッションよりもオートマティックミッションの方がプラス査定になります。
ABS、エアバッグの安全装備もプラスです。
パワーステアリングやパワーウインドウの装備もプラス査定項目です。
電動サンルーフや電動スライドドア、電動バックドアもプラスとして評価されます。

本革のシートもプラスに評価されますが、キズがあったり張り替えをしたものはプラスには評価されません。

カーナビゲーションシステムやアルミホイールなどの組み込み装備品についてですが、これも基本的にはプラス査定点です。カーナビゲーションシステムがインダッシュであったり、多機能であるとプラスになります。
ただしプラス査定となるためには正常に動作することが条件で、例えばナビゲーションシステムに地図ソフトが入っていない、取扱説明書がないとプラスどころかマイナスになることもあります。

ちなみにこれらのオプション品についてはメーカー純正品か社外品かについてのプラス査定点の区別はありません。ただし業者によって純正品を好んだり社外品を好んだりするところがあって、それによってプラス査定額の業者判断分が異なってきます。

アルミホイールは4本セットであればプラスになります。もちろん傷や変形がないことが条件で、正規の規格品であることも必要です。新しい方がプラスの査定点が高くなります。

アルミホイールについては最初は純正品を付けていて後から社外品を買う人も多いと思いますが、査定の際に純正品と社外品の両方がそろっていると査定額がさらにプラスになる可能性があります。これはアルミホイール自体の査定に加えて、後から純正品と社外品を選べる利点が発生することによります。

マフラーについては、交換していると改造とみなされて減点となる場合が多いです。車検に通らないようなものはさらに整備費用分がマイナスとされます。

以上は車体に関することですが、これら以外にも、取扱説明書・整備手帳・保証書がきれいな状態で備えられていると若干のプラス査定になります。
また、次回の車検までの残り期間もプラス査定の対象になります。

査定人の印象を良くするのも売却値アップの秘訣

これらに加えてさらに、査定員の心証や印象がプラス査定には大きく影響するとよく言われています。
査定員の印象をよくするためには、まず査定に必要な書類をすぐに提示できるように準備しておくことです。
車内やトランクの荷物をできるだけ外に出しておき、ドリンクホルダーなどほ外しておきます。こうすると査定員がすぐに査定作業に入れますし、車内が見やすくなります。これをすると車両の印象をよくするための掃除もしやすくなります。

査定前には洗車と車内の清掃はやっておくことをおすすめします。新車同様とまではいかなくても外観がきれいな車だと査定員の印象が良くなります。
洗車はガソリンスタンドの洗車機で行なう程度で十分です。

車内の清掃は、まずは掃除機がけを行ないます。シートだけでなくマットの下も見られますのでそこも掃除機をかけます。
シートのシミは減点になるのでしみ落としを行ないます。
内装全体は洗剤を含ませた布できれいに拭きます。洗剤は酸性やアルカリ性だと内装を傷めてしまうので、中性の台所洗剤でも充分です。
洗剤で拭くと車内の臭い消しにもなりますが、それでも臭いが残っているときはファブリーズなどを使い、さらにエアコン用の消臭剤も使ってみるとよいです。

以上のことはプラス査定のポイントの標準的なことですが、業者によってはさらに別々にプラス査定ポイントがあります。複数の業者に査定を依頼してみると査定額が異なってくるでしょう。