中古車の買い取り価格は、日本自動車査定協会が定めている査定のための資料が基本になります。これは車種ごとに相場価格を参考にして毎月更新されています。これを基にした価格に、各買取業者の査定によるプラス分やマイナス分が加算されます。
買い取り業者ごとにどのようなポイントを高く評価するかは異なりますが、日本自動車査定協会の資料でもプラス査定やマイナス査定のポイントが定められています。よって、これによれば査定のプラスマイナスの一般的なポイントは分かります。
ここでは、マイナス査定になるポイントを列挙していきます。
まず、我々でもすぐに分かるマイナスポイントは外板です。
パネルを修理した跡や交換したものはマイナスとなります。塗装のし直しがあると減点はかなり大きなものになります。いわゆる全塗装だと十万円単位でのマイナスになるようです。
薄い擦り傷やタールの付着、水あかもわずかですが減点の対象になります。査定前に洗車した方がよいと言われるのはこのためです。
マイナス値はどの部位のパネルかで異なります。
交換を要するような大きな破損の場合、ルーフ部分がもっとも大きな減点となります。その次に大きなものはリアフェンダー部分になります。
その他の部位では、ボンネットやドア、フロントフェンダーではマイナス値はあまり変わりません。
外板のキズや破損とされる基準は、塗装の場合は、キズ、色あせ、サビ、テープ糊残り、その他の異物の付着です。
キズや破損はその大きさでもマイナス値が異なります。
キズが1センチ未満だとマイナス箇所としてはカウントされません。1センチ以上の場合は、キズの大きさがカードサイズ以上、A4紙サイズ以上と分けられます。
ただし、「穴」の場合は大きさが1センチ未満であってもマイナスの対象です。
板金の観点では、腐食、穴です。これらは1センチ未満でもマイナスの対象になります。
外板を要交換と判断されるのは、凹凸の面積がパネルの半分以上、パネルを取り付けているフレームが曲がっている、腐食の部分が1センチ以上または1センチ未満でも4か所以上ある場合、またその他の亀裂や大きな損傷がある場合です。
パンパーやスポイラーも素人目でも分かるところですが、これらのマイナスの基準は外板の基準と概ね同じです。
リアミラーが要修理か要交換の場合はマイナス査定の対象となります。
要交換の基準は、ミラーが曇っているかコーティングが剥離している、その他破損していることです。ミラーのカバーが破損している場合、ミラー全体が動作不良である場合も要交換と判断されます。
ミラーの種類では、ウインカー付きドアミラーだとマイナス値が高くなります。
オフロード車によくあるような大型のドアミラーは最も高いマイナス値です。
内装では、外板ほどのマイナス値ではありませんが、これらも細かくチェックされます。
内装パネルやシートはのキズやシール残りが対象になります。
内装全体的には、タバコやペットの臭いがマイナスの対象になります。
エンジンやトランスミッションなどの機械・機構部分では、その動作状態によってマイナスポイントがかなり細かく定められています。
以上のようにマイナス査定のポイントの標準的な部分はかなり多いのですが、実際の査定の場合に業者がどのくらいのマイナス値を付けるかはその業者によって異なります。これは、修理や交換のための整備体制や部品供給コストが業者ごとに異なるからです。車両の部位でも得意不得意があります。
ですので、複数の業者に査定を依頼すると、マイナスとなる価格が異なってくるのが普通です。